2004年 新形態オフィスプロジェクト
近年、ビジネスに関して専門知識とスキルさらには広範囲な人脈を持った人たちが組織を飛び出し、新たな形態のコラボレーションやネットワーキングを確立している。また組織に属していない新たな業態の人たちは今までに無いカタチの繋がりを築くことを切望している。このような状況に呼応して、仕事をする、あるいは人が集まれる場所や機器といった環境を提供するだけではなく、彼らの知識やアイデア、人脈やプランなどを共有できるオープンプラットフォームの構築を目指しています。
いわゆる、そこはクラブサロンであり仕事場(ワークプレイス)であり、延いてはワークスタイルの基地なのです。
わたしたちがビジネスあるいは仕事にいちばんもとめていることは、他人との「インフォーマルなコミュニケーション」です。それには、仲間たちと空間をともにし、一緒にコラボレーションできる環境そのものをつくることが新たなコミュニケーションを誘発し、仕事やプライベートに大きく役立つのでは・・・と考えたわけです。今までには存在しなかった新しいカタチのシェアードオフィス「SOUP(スープ)」が始動し始めました。さまざまな分野の人たちが集まり、空間やインフラを共有しやんわりした集団を形成し、さらに対外的にはひとつのコーポレーションとして認識されることを目的にしています。言ってみれば、さまざまは具を鍋でごった煮しているスープなのです。
Shared Office:仕事場の共有。United Place:力を合わせた、団結した、一致した場所。
情報通信機器やPC環境の発達によって「どこでもオフィス」が現実化してくると従来型のオフィスの役割がだんだんと薄れ、無人化が進んで行ってしまいます。オフィスの空洞化です。わたしたちはここで今後のオフィスのあり方について考える必要に迫られています。その一つは、仕事そのものが、よりプロジェクティブになり、期限や人材、コストなどが限定的になってくる点。さらに外部ブレーンとのコラボレーションやコンプレックスが進み異領域の人間の出入りが活発になる点。またフリーターなどの組織に直接属していない人たちのコーポレート化が進む点などが挙げられます。そのいずれもが作業空間というよりもFace To Faceなコミュニケーション空間が必要となり、プロジェクトルームのようなオフィスが不可欠となるでしょう。
具がバラエティーにとんでいたほうが美味しいスープ(SOUP)ができ、さらに見栄えもいい・・。いずれその美味しいスープ(SOUP)はブランド化し、空間とともに価値を上げていく。わたしたちは、場所(物件)探しから、参加者の募集、不動産交渉、内外装・インフラの整備、さらにはオペレーションに至る監修全てを包括的に引き受けます。コーポラティブの手法を駆使し、参加者全員で協同して自分たちに見合った空間を作り上げる「セルフビルド・リノベーション」の考え方を重視し、交流主体の仕事場作りを目指しています。
「スープ(soup)の冷めない距離」感覚のコラボレーションを・・。
SOUPは大きく3つのゾーンで構成されています。1)クリエイティブラボはコーポラティブの手法で10名程度のメンバーが同じ空間を共有し合ってオフィスを創造し運営していくもの。2)キャレルボックスは1名ないし2名で使用できるセミオープンタイプの女性専用個室です。6〜7フィートスクエアのブースはガラスのパーティションによって解放感を演出し、外部交流が簡単に図れるしつらえとなっています。3)コックピットコンテナは固定アドレスの格納式簡易オフィスです。デスクと書棚ユニットが壁面に格納されることでデスクワークや打合せなどいろいろなシーンに対応できます。